スキップしてメイン コンテンツに移動

独習 障害福祉サービス 指定基準 | 第四(療養介護) 3 運営に関する基準 (4) (5)

定療養介護における利用者負担額管理と介護給付費通知の解説


記事の概要:
療養介護に関する厚生労働省の通知(基準第55条・第56条)では、利用者負担額の管理と介護給付費の額の通知について定めており、事業者が利用者負担を適切に管理し、公費負担を明確にするために重要です。本記事では通知の内容をシンプルにやさしく解説し、実務に役立つポイントをまとめます。

▶︎ 療養介護 関連記事まとめページはこちら

利用者負担額等に係る管理(基準第55条

基準第55条では、ある月に利用者が療養介護と他の障害福祉サービスを一緒に使った場合、その人の自己負担が全部でいくらになるのかをまとめて計算する必要があります。この場合、受給者証に「上限額管理事業所」と記載された事業所がその役割を担います。この管理事業所は、他の事業所で発生した自己負担の情報も集めて、月の合計負担額を計算し、それを市町村や利用者に報告します。

制度の仕組みとしては、「一人の利用者に、月の自己負担額に上限がある」ことを前提に、その負担額が超えないように調整するためのものです。複数のサービスを使っていても、利用者が不必要に多く支払わないようにするための大切な仕組みです。

介護給付費の額に係る通知等(基準第56条)

基準第56条では、サービス提供後に利用者へ費用情報を通知・証明する義務が規定されています。ケースに応じて2つのパターンがあります。

① 法定代理受領を行った場合の通知(第56条第1項)

事業者が療養介護について自治体から介護給付費等の支払いを受けた場合、その額を利用者に通知しなければなりません。公費で支払われたサービス費用の額を利用者に知らせるものです。これは一般に「代理受領通知書」という書面で行われ、サービス提供月や費用総額、公費負担額、利用者負担額などを記載します。代理受領通知書は領収証ではないため、利用者負担分については別途領収証を発行する必要があります。また負担額が0円の利用者にも省略せず交付しましょう。

② 法定代理受領を行わない場合の証明書交付(第56条第2項)

一方、利用者がサービス利用時に費用全額をいったん事業者に支払った場合(=代理受領を行わなかった場合)、事業者はその利用者に「サービス提供証明書」を交付する義務があります。サービス提供証明書とは、提供したサービスの内容と費用を証明する書類で、利用者が後日自治体に介護給付費を請求(償還払いの申請)する際に必要です。通常は代理受領が行われるため償還払いになるケースはほとんどありません。ただし受給者証が未交付で給付決定前にサービス提供を開始した場合などの例外ケースではこの証明書が必要になります。その際は速やかに発行し、利用者が給付費を受け取れるようにしましょう。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 利用者負担額の合計管理:療養介護事業所で複数サービスを提供した利用者については、(担当する上限額管理事業所が)月単位で自己負担額を合算し自治体に報告します。負担上限額を超えないよう総額を把握・調整することが大切です。
  • 代理受領通知書の交付義務:公費による介護給付費等を受領した場合は、利用者へ代理受領通知書を交付します。金額と内訳を明示した書面を作成し、利用者負担が0円でも省略せず交付することが重要です。
  • サービス提供証明書の発行:利用者から費用の全額を受け取った場合(代理受領なし)は、サービス提供証明書を速やかに発行します。サービス内容と費用を正確に記載した証明書を利用者に渡し、利用者が自治体に給付費を請求する際に困らないようにしましょう。


【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。