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独習 障害者支援施設等 指定基準 | 障害者支援施設における利益供与に関する注意点

害者支援施設における利益供与に関する注意点


記事の概要:
紹介料の支払いや受領が禁止される根拠を正しく把握することで、運営指導での指摘を回避し、広告契約の適否を的確に判断できるようになります。特に令和7年の改正で禁止対象が個人ブローカーや広告業者にまで拡大された点は見落としやすいため、成果報酬型広告が利益供与とみなされるリスクや、掲載課金型広告との違いについても詳しく解説しています。

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基準第51条①の解説

第51条第1項は、障害者支援施設が利用者を紹介してくれた相談支援事業者や他の障害福祉サービス事業者に対し、その紹介の「お礼」として金銭・商品などいかなる利益も提供してはいけないと規定しています。これは、施設間のやりとりでお金を払って利用者を紹介してもらう「紹介料」やお祝儀などを禁止するものです。たとえば、相談支援専門員に利用者のあっせんをしてもらった見返りとしてに現金を渡す行為は違反にあたります。利用者のサービス選択がゆがまないようにするための規定で、厚生労働省も「利益供与は公正中立性を損なう危険がある」と説明しています。したがって、施設側は決して紹介料などを支払ってはなりません。

基準第51条②の解説

第51条第2項は、利用者が障害者支援施設を退所した後に、新たに別の施設や相談支援事業者などを選ぶ場面での金銭的なやりとりを禁止しています。この規定の趣旨は、退所後の進路や支援先の選択が、利用者本人や家族の自由な意思によって決まるようにし、経済的な利害関係者が介在しないようにする点にあります。施設側が退所した利用者を他の事業者に紹介した際、その見返りとして現金や商品券、その他の利益を受け取ることは、どんな理由があっても許されません。

たとえば、施設を卒業した利用者を他の就労支援事業所やグループホームに案内した場合に、その新しい事業所や相談支援員から「紹介してくれてありがとう」として謝礼や物品、サービスなどをもらうことは、この第2項に違反します。謝礼だけでなく、紹介人数に応じた特典や後日支払われる手数料、さらには飲食や招待といった形であっても、実質的に「紹介の対価」であればすべて禁止の対象です。

基準第51条③の解説(令和7年改正)

令和7年10月施行の改正で追加された第3項では、禁止対象をさらに広げることが明確化されました。これまで①②項で「相談支援事業者や他の福祉サービス事業者とその従業者」が対象でしたが、改正後はこれ以外の第三者(たとえば個人ブローカーや広告業者など)への利益供与も含まれることになりました。厚労省は、この改正を受けて「契約書上の名目にかかわらず、実質的に利用者紹介の対価とみなされる金銭提供はすべて禁止される」と明示しています。たとえば、ホームページ掲載料という名目で支払っていても、実際には個々の利用者紹介への報酬と判断されれば、第51条違反となります。特に成果報酬型広告サービス(利用者が決まったときに報酬を払うタイプ)は「紹介料とみなされる可能性が高い」とされており、注意が必要です。一方、定額の掲載料で広告する「掲載課金型サービス」なら利益供与には当たらないとされていますので、この点を踏まえて運用する必要があります。

事業者・起業希望者が押さえるべきポイント

  • 紹介料・お礼の禁止徹底:相談支援事業者や他事業所への紹介料やお祝い金は絶対に支払わない。逆に受け取らないことも同じく禁止です。
  • 広告宣伝の方法に注意:「成果報酬型」広告(利用者獲得数や成約に応じて支払う方式)は、第51条で禁止される可能性が高いので避ける。安全なのは月額固定の「掲載課金型」広告(成果にかかわらず一定料金)で、自社の宣伝を行う方法です。




【免責事項】

本記事は、一般的な情報提供を目的としており、当事務所は十分な注意を払っておりますが、法令改正や各種解釈の変更等に伴い、記載内容に誤りが生じる可能性を完全には排除できません。各事案につきましては、個々の事情に応じた判断が必要となりますので、必要に応じて最新の法令・通知等をご確認いただくようお願い申し上げます。