地域定着支援における常時の連絡体制の確保等と緊急の事態における支援
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地域定着支援は、障害者が地域で安心して暮らし続けるための障害福祉サービスです。特に一人暮らしの障害者や、家族から緊急時の支援が得られない障害者を対象に、事業所が24時間いつでも連絡できる体制を整え、緊急時には速やかに必要な支援を提供します。本記事では、地域定着支援の指定基準で定められている「常時の連絡体制」(第43条)と「緊急時の支援」(第44条)について、やさしくシンプルに解説します。
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常時の連絡体制の確保(地域定着支援の指定基準 第43条)
「常時の連絡体制の確保」とは、文字通り利用者(障害者)やその家族と、いつでも連絡が取れるようにしておくことです。地域定着支援では、利用者に万が一のことが起こった際にすぐ対応できるよう、事業所が利用者本人または家族と直接つながる連絡手段を確保しておく必要があります。
具体的には、夜間であっても対応できるよう24時間対応の連絡先を用意します。例えば、夜間に職員が待機する、または携帯電話や緊急連絡用の番号を利用者と家族に知らせておき、いつでも相談や緊急連絡を受け付けられるようにします。
また、常時の連絡体制を確保するだけでなく、利用者の状況を日頃から把握しておくことも大切です。地域定着支援では定期的に利用者の自宅を訪問したり、面談を行ったりして、利用者の生活状況や体調の変化を見守ります。こうした日常的な見守りにより、緊急時に必要となる情報を把握しておくことができます。
緊急の事態における支援(地域定着支援の指定基準 第44条)
「緊急の事態における支援」とは、利用者に急なトラブルや体調悪化などの緊急事態が発生した際に、速やかに状況を確認し、必要な措置を講じることを指します。
まず、緊急事態が起きたら、事業所はできるだけ早く利用者の状況を把握しなければなりません。具体的には、利用者の自宅へ急行して訪問したり、電話で連絡を取ったりして、何が起こっているのか確認します。この初動対応が遅れると、状況が悪化する恐れがあるため、迅速さが何より重要です。
状況を確認したら、次に利用者の状態に応じた適切な措置を取ります。例えば、利用者の体調が急変した場合には、すぐに救急車を呼びます。 また、利用者がパニックや混乱状態に陥っている場合には、スタッフが付き添って落ち着くまで見守ります。 地域定着支援では、その場に応じた一時的な付添いや見守りによって利用者の安全を確保することが重要な役割となります。
なお、緊急時に利用者が一時的に宿泊する場所には、法令(基準第44条第3項)で定められた最低限の要件を満たす必要があります。簡単に言えば、安全性やプライバシーなどが確保された環境でなければなりません。
また、緊急時の一時宿泊支援については、自事業所で宿直室等を用意する方法のほか、他の障害福祉サービス事業所の施設の空き室を借りて対応する方法も法律上認められています(基準第44条第4項)。要するに、自社で緊急宿泊場所を持たなくても、地域の他施設と連携すれば緊急避難先を確保できるということです。
まとめると、地域定着支援では「常に連絡が取れること」と「緊急時にすぐ支援できること」の二本柱が非常に重要です。こうした仕組みにより、利用者(障害者)は「困ったときはいつでも誰かに助けてもらえる」という安心感を持って地域生活を続けることができます。
事業者・起業希望者が押さえるべきポイント
- 24時間対応の連絡体制を整備しましょう。緊急連絡を受ける職員の当番制や電話の転送設定など、常に連絡に応答できる工夫が必要です。
- 日頃から利用者を見守り、記録しておきましょう。定期的に訪問や電話で利用者の健康状態や生活環境の変化を把握し、記録しておけば、いざという時にスムーズに対応できます。
- 緊急対応マニュアルの整備も欠かせません。誰が駆けつけるか、医療機関・行政への連絡手順などをあらかじめ決めて訓練しておきましょう。実際の緊急時にも落ち着いて対応できます。
- 一時宿泊先の確保を事前に検討しておきましょう。自施設に宿泊設備がない場合は、地域の障害者支援施設やショートステイ事業所と連携し、緊急時に受け入れてもらえるよう契約などで準備しておくことが大切です。
【免責事項】
