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独習 こども性暴力防止法 | 第二回 学校だけの法律ではない|障害福祉事業者に関係する理由

校だけの法律ではない|障害福祉事業者に関係する理由


この記事は約5分で読めます。

お急ぎの方、ここだけは読んでください

  • こども性暴力防止法は、いわゆる「学校」だけのための法律ではありません。対象事業者は、児童等との関係で支配性・継続性・閉鎖性が生じるかどうかという観点から広く定められています。
  • 障害福祉分野でも、障害児通所支援事業や障害児入所施設等は義務対象です。さらに、一定の指定障害福祉サービス事業者も認定対象になり得ます。
  • つまり、障害福祉はこの制度の「外野」ではありません。特に障害児支援に関わる事業者は、制度の中心的な対象の一部です。

第1回では、この法律が単なる「前科確認の制度」ではなく、事業者に総合的な体制整備を求める制度であると理解しました。では、なぜ学校ではない障害福祉事業者まで対象になるのでしょうか。答えは明確です。こどもに接する事業のうち、支配性・継続性・閉鎖性を持ちやすいものは、学校かどうかを問わず制度の対象になるからです。

この第2回では、対象事業の全体像を確認しながら、障害福祉がなぜ制度の対象に入っているのかを整理します。

なぜ障害福祉も対象になるのか

行政は制度の対象事業・対象業務を定める考え方として、児童等との関係で:

  • 支配性
  • 継続性
  • 閉鎖性
これらを有するか否かの観点から対象を規定すると明記しています。つまり、この制度は「学校か、学校でないか」で線を引いているのではなく、こどもとの関係の持ち方に危うさが生じやすいかどうかで線を引いています。

上記のような特徴を持つ事業においては、従事者がこどもに対して支配的・優越的立場に立ち、継続的で密接な人間関係を築き、親などの監視がない状況の下(閉鎖的)でこどもを預かることが、その態様として存在します。そのためこれらの事業では、こどもに対する性暴力等の発生に特別の注意を払うことが求められるとされているのです。

これを障害児(者)福祉に照らして考えてみても、理屈は同じであることが分かります。障害児通所支援や障害児入所施設では、職員がこどもを継続的に支援し、本人より優位な立場で関わり、ときに保護者の目が届かない状況で支援を行います。訪問系の支援でも、1対1で密接に関わる場面があります。つまり、学校ではなくても、制度が問題視している構造を持つ事業だということです。ですから、障害福祉は本法の対象なのです。

障害福祉では、どの事業が対象になるのか

シリーズ第一回目より以下抜粋。

義務対象事業者(法令に則った取組が法定義務です)

 ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)
 ○ 障害児入所施設

認定対象事業者(法令に則った取組は任意となりますが、認定取得に対する市場圧力が想定されます。認定取得事業者は公開されます。)

 ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援

全ての障害福祉サービスが本法の対象とはなりませんが、認定対象事業者として、障害児に対して提供する居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援などが制度の土俵に乗っています。

現場で押さえるポイント

自事業所がこども性暴力防止法の対象事業となっているのかどうなのか、また法定対象事業者であれば何から手を付けるのか、認定対象事業であれば認定を取りに行くのか、行かないのか、といった点について速やかに検討を行うべきです。まずこの方向性を見出した後に、あとに続く犯歴確認の対象従事者の選定、不適切な行為の範囲、採用時の確認、就業規則改定、相談窓口開設、情報管理手法の検討といった具体的なアクションが見えてきます。

まとめ

  • こども性暴力防止法は、学校だけを対象にした法律ではありません。対象事業は、支配性・継続性・閉鎖性という観点から定められています。特に障害児支援は、この制度の重点対象の一つです。
  • 将来多機能型事業所として業務範囲を広げた場合、サービス種別によっては本法に則った事業所運営が求められるようになる点も留意すべきと考えます。





【免責事項】

本記事は、現時点で公表されているガイドライン、施行資料その他の公表資料に基づく内容です。今後、通知、Q&A、事務手続マニュアル、各種ひな型等で具体的な運用が補われる可能性があります。