義務対象事業者と認定対象事業者は何が違うのか|障害福祉サービス事業者視点より
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お急ぎの方、ここだけは読んでください
- 義務対象事業者は、法律上当然に性暴力防止の取組を行うべき「法定事業者」です。認定対象事業者は、申請して認定を受ける仕組みです。
- 認定対象事業者は、認定を受けると、こども家庭庁ウェブサイトで公表され、認定事業者マークを広告等に使えるようになります。つまり、認定を取っている事業所と取っていない事業所とがはっきり視覚化されます。
- 義務対象事業者には法定事業者マークがあり、認定対象事業者には認定事業者マークがあります。似ていますが、同じものではありません。勝手に使うこともできません。
- 認定申請には、GビズID、申請書、児童対象性暴力等対処規程、情報管理規程、誓約書などが必要で、手数料は3万円です。
前回は、障害福祉がこの制度の外野ではなく、障害児支援や一部の障害福祉サービスについても制度のど真ん中に入っていることを確認しました。第3回の本稿では、義務対象事業者と認定対象事業者の違いを整理します。法的な位置づけ、申請の有無、公表のされ方、マークの意味まで含めて見ていきます。
義務対象事業者と認定対象事業者は、そもそも立場が違う
まず当然ではありますが、法律上の定義が異なります。
義務対象事業者(学校設置者等)
○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)
○ 障害児入所施設
認定対象事業者(民間教育保育等事業者)
○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援
認定とは、民間教育保育等事業者が、その行う民間教育保育等事業について、学校設置者等が講ずべき措置と同等のものを実施する体制が確保されている旨の認定を受けることができる仕組みです。認定を取得するかどうかは事業所の判断に任されますが、認定を受ける以上、義務対象事業者と同じ責務を負うこととなります。
これに対して、義務対象事業者については「法律で性暴力防止の取組を行う義務が定められている」事業者だと整理されており、法の取り組みに参加する以外の選択肢はありません。
認定対象事業者は、何をすると認定されるのか
認定の取得ですが、ただ申し込めば通るプロセスとはなっていません。
認定を取得するためには、法律で定められた諸条件、たとえば性暴力を防ぐ取組や、犯歴情報を適正に管理する体制ができていることなどを証明して、はじめて認定をを受けることができます。認定を受けるためにはオンライン申請が必要で、申請から認定までは約1〜2か月かかる見込みとされています。
(犯罪事実確認が実施できるのは、この認定を取得した後です)
認定を取得するためには相応の事務作業が伴います。内部規程や情報管理体制までをしっかり整えて申請、そして審査を経て、はじめて外に向かって「認定事業者」と公表できる仕組みとなっています。
公表とマークは、義務対象と認定対象でどう違うのか
認定を受けた事業者は、こども家庭庁のウェブサイト上で公表され、利用者はどの事業者が認定を受けているかが確認できるようになります。また、「認定事業者マーク」を広告などにも使えるようになります。利用するサービスについて複数の事業所の候補があった場合、この認定マークを取得している事業所を優先するのは、親心を考えればごく自然なことではないでしょうか。たしかに「任意・認定」ではありますが、市場動向などにも目を向け、適切な運営判断を行うべきと考えます。行政側も、この認定の趣旨に賛同する事業者を歓迎しています。
一方で、義務対象事業者には「法定事業者マーク」があります。法定事業者は、本法の取り組みに必然的に歩調を合わせて行くことになりますので、法施行以降はこちらのマークを使用することができます。
現場で押さえるポイント
義務対象事業者は、最初から法定事業者として制度対応を進める必要があります。よって、「どうやって法の施行に間に合わせるか」が論点です。
一方、認定対象事業者の場合は、認定を受けるかどうかの内部判断がまず必要です。しかし、認定を取るということは、結局は義務対象事業者と同等の体制を整えることを意味するわけであり、現場運用の視点からは両者に違いはありません。
まとめ
- 義務対象事業者は、法律上当然に取組義務がある法定事業者です。認定対象事業者は、申請して認定を受ける仕組みの側にいます。
- 認定対象事業者が認定を受けるには、性暴力防止の取組や情報管理を適切に実施する体制が必要で、申請や審査もあります。
- 認定を受けると、こども家庭庁ウェブサイトで公表され、認定事業者マークを使えるようになります。義務対象事業者には法定事業者マークがあります。
【免責事項】
本記事は、現時点で公表されているガイドライン、施行資料その他の公表資料に基づく内容です。今後、通知、Q&A、事務手続マニュアル、各種ひな型等で具体的な運用が補われる可能性があります。