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独習 こども性暴力防止法 | 第六回  こまもろうシステム利用前に押さえるべきアカウントと権限の基本

まもろうシステム利用前に押さえるべきアカウントと権限の基本


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お急ぎの方、ここだけは読んでください

  • 犯罪事実確認情報等を申請・閲覧するための「こども性暴力防止法関連システム(通称:こまもろうシステム)」を利用するためには、まずGビズIDの取得が必要です。
  • GビズIDが提供するアカウント権限の種類(誰がどのサービスにアクセスできるか?の区別)の中でも、この制度対応で特に関わってくるのはプライムとメンバーです。
  • 小中高等学校のように、校長以下多くの役職がある組織においては、アカウント設計は重要な勘案事項です。ただし、障害福祉サービス事業者、とくに1事業者=1事業所という座組で考えるならば、学校のような大規模な権限分担・分散を最初から想定する必要はありません。
  • まずは、責任者、つまりプライムアカウント保持者1名が中心となってシステム上の確認・管理を行う運用を基本形として考えるのが自然です。また扱う情報の機微性を考えた場合、アクセス権の分散運用は明らかに親しまないものです。

なお、行政が示している情報管理規程ひな型には3種類のバリエーションが存在します。その中でも、責任者1名のみがシステム上で犯罪事実確認書を確認し、それ以外では記録・保存を行わない前提の型があります。実際のところ(事業規模を勘案し可能であるならば)これが第一推奨方式であることを、まず理解します。

以下、こども性暴力防止に関係する障害児(者)福祉サービス事業者の区分けを再掲しておきます。

義務対象事業者(学校設置者等)

 ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)
 ○ 障害児入所施設

認定対象事業者(民間教育保育等事業者)

 ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援

GビズIDは、こまもろうシステムに入るための入口








図は、GビズIDのプライムアカウントを持つ管理者が、こまもろうシステムへアクセスする際のイメージを表したものです。図の通り、GビズIDはこまもろうシステムを使うための共通認証基盤という位置づけです。GビズIDという事業者の身元確認システムを経ることで、こまもろうシステムを含む多彩な行政サービスを、ワンストップで享受できるようになっています。これまでも、Jグランツや多種多様な補助金・助成金の申請システムへGビズID経由で利用することができましたが、今後はこれらののサービスのひとつとしてこまもろうシステムが加えられるかたちです。

なお、念の為に申し添えておきますと、GビズIDが提供するアカウントには3種類あります。それぞれ、プライム、メンバー、エントリーです。ただし、エントリー権限にはこまもろうシステムへのアクセス権は与えられないため、本稿では説明を割愛いたします。

プライムは、法人代表者または個人事業主向けで、すべての行政サービスを利用できます。さらに、従業員用のアカウント管理を行うことができます。すなわち特権ユーザー的な立ち位置です。

メンバーは、プライムアカウント保持者が作成を行う従業員向けのアカウントで、利用できる行政サービスには一定の制限があります。

こまもろうシステムとの兼ね合いでは、アカウント取得・設定もさることながら、権限設計が重要となります。つまり、どの範囲の従業員に犯罪事実確認情報へのアクセス権を与えるのか?という点です。ガイドラインによると、GビズID取得のあとに、担当者(従業員)が行う事務に応じて権限設定を行うと示されており、ここが実務上のポイントです。ただし、冒頭で申し上げた通り、複数職員がこまもろうシステムへアクセスし、秘匿性の高い情報を閲覧することは推奨されていません。事業所の情報管理体制を想定し、まずは責任者1名(プライム)のみがシステム上で犯罪事実確認書を確認するという運用で業務を回せないかどうか検討し、その上でやはり複数のアクセス権限を設定する必要があるという場合に、分散型を考慮する、という流れが良いと考えます。

まとめ

GビズIDは、「こまもろうシステム」を利用するための共通認証基盤です。2026年3月時点での法人取得率は約32.4%に留まっており、依然として多くの障害福祉サービス事業者様が未登録の状態にあると推察されます。 これまでGビズIDは「あれば便利なもの」という認識が一般的でしたが、今回のシステム導入においては、その利用が事実上の必須要件となります。 これを「こども性暴力防止法」への対応という側面だけでなく、業務全体のDXを推進する好機と捉えたいです。令和8年度の報酬改定においても、ICT導入が「福祉・介護職員等処遇改善加算」の要件として一層重要視されています。時代の変化を前向きに捉え、デジタル化への一歩を共に踏み出していきたいと考えております。

追記:GビズID登録の際には、事業者様御本人のマイナンバーカードと「4ケタの暗証番号」及び「署名用パスワード」の両方が必要になります。万が一お忘れの場合、これらの初期化・再設定から行う必要があるため、ご注意ください。






【免責事項】

本記事は、現時点で公表されているガイドライン、施行資料その他の公表資料に基づく内容です。今後、通知、Q&A、事務手続マニュアル、各種ひな型等で具体的な運用が補われる可能性があります。