犯罪事実確認とは何か|制度の全体像を障害福祉事業者向けに整理する
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お急ぎの方、ここだけは読んでください
- 犯罪事実確認によって「該当あり」とされるのは、こどもと接する業務の従事者について、過去の犯罪歴、それも単なる「前科一般」ではなく、特定性犯罪を行った者のうち、法で定められた期間内に(いまだ)ある特定性犯罪事実該当者です。
- この制度を実施するに当たって、障害福祉サービスを念頭に置けば、障害児(者)福祉事業者、従業員本人、こども家庭庁、法務省、こども性暴力防止法関連システム(こまもろうシステム)など、多くの人や組織体が関わっています。
- 犯罪事実の確認を行うタイミング・対象としては:
- 現職者
令和8年12月25日時点で対象業務に従事している者、及び同年12月24日以前に内定・内示などが出されている者 - 新規雇用者
令和8年12月25日以降に内定・内示などが出され、対象業務に新たに従事する者 - 定期確認対象
犯罪事実確認を行った従事者について、その後5年ごとに行う再確認時期が回ってきた者
前回は、責任者と内部体制をどう整えるかを見ました。そこでは、情報管理責任者や相談・報告・初期対応の旗振り役をどう置くかという、事業所側の準備を整理しました。
シリーズ10回目の本稿では、本法の取り組みにおいて最も人々の耳目を集めているであろう、犯罪事実確認制度について見ていきます。キャッチーな言葉でもあり広く知られやすい部分ですが、多くの論点を含んでいます。
そこで本稿では、細かな点まで一気に深掘りするのではなく、まずは何を確認する制度なのか、誰がどう関わるのか、どのタイミングで必要になるのかという全体像を押さえます。
犯罪事実確認とは何を確認する制度なのか
今後事業者は、こどもと接する業務の従事者について、雇入れや配置転換の際、過去の性犯罪歴の確認が必要となります。ただしここでいう「性犯罪歴」は何でもよいわけではありません。
以下の図は「特定性犯罪事実」に該当する要件をまとめたものです。
このように、こどもと接する業務に就く従事者について、法が定める特定の性犯罪につき、一定の有罪裁判が確定してからその者が法定の期間内にあるかどうかを確認する制度です。
※特定性犯罪の例(不同意性的、不同意わいせつ、盗撮、未成年淫行、児童買春、児童ポルノ所持、痴漢など)
犯罪事実確認制度の流れはどうなっているのか
ガイドライン内にある確認フロー図の通り、この制度には、複数の人や組織が関係しています。
ガイドラインのフロー図を見ると、まず事業者が申請を行い、こども家庭庁がその内容や提出書類を確認した上で法務省へ照会を行うことがわかります。そして戻ってきた結果を基に犯罪事実確認書が交付される流れとなっています。なお、図には示されていませんが、外国籍従事者については、出入国在留管理庁の情報も関わります。
また、万が一確認の結果「特定性犯罪事実に該当あり」とされた場合には、この情報は直ちに事業者へ結果が伝えられるのではなく、(事業者への通知に先んじて)まず本人側との手続が始まります。このあたりの細かい取扱いは後続の回で見ていきますが、少なくとも、事業者・本人・こども家庭庁・法務省の4者が関与する制度だということがわかります。
まとめ
現場では、「結局、黒か白かを確認するだけの話でしょう」と受け止めてしまいがちです。もちろんその一面もあります。しかし、犯罪事実確認は、法が定める特定性犯罪事実該当者に当たるかどうかを、一定のルールと手続に従って確認するための制度で、その後の採用、配置、情報管理、防止措置とも深くつながっているもの、と理解したいです。
障害福祉事業者として重要なのは、この制度を単発のチェックとして見るのではなく、「誰が対象となるのか」「いつ確認が必要なのか」「どのような流れで結果が出るのか」「結果が出た後にどう動くのか」という全体像を踏まえて理解しておくことではないでしょうか。
【免責事項】
本記事は、現時点で公表されているガイドライン、施行資料その他の公表資料に基づく内容です。今後、通知、Q&A、事務手続マニュアル、各種ひな型等で具体的な運用が補われる可能性があります。