現職者の犯罪事実確認はどう進めるか|施行時現職者・期限・分散申請の考え方
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お急ぎの方、ここだけは読んでください
- 義務対象事業者の「施行時現職者」とは、令和8年12月25日時点で対象業務に従事している者だけではなく、同年12月24日以前に内定・内示などが出されている者も現職者の扱いとなります。
- 義務対象事業者の施行時現職者に対する犯罪事実確認は、施行から3年以内に行う必要がありますが、施行日に全員に対して一斉確認が行われるわけではありません。
- 現職者確認は、令和9年4月以降、事業者ごとに確認手続を行う期間が通知される方式です。
- 一方、認定対象事業者の認定時現職者については、認定日から1年以内に確認が必要です。
- 現職者確認では、単に「今働いている人」だけに着目するのでは不十分です。いったん現場を離れた人を、離職者として扱うのか、それとも継続関係にある現職者として扱うのか、についても整理が必要です。
シリーズ第11回目の本稿では、施行時現職者の考え方、確認完了までの期限、分散方式による確認申請、そして離職との関係についてを整理します。
義務対象事業者(学校設置者等)
○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)
○ 障害児入所施設
認定対象事業者(民間教育保育等事業者)
○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援
施行時現職者とは誰を指すのか
まず当然のことながら、令和8年12月25日の法施行日の時点で、犯歴確認が必要とされる対象業務に就いている従業員の方が該当します。さらに、12月24日以前に内定・内示などが出された新規採用の従事者についても現職者扱いとなります。
一方、12月25日以降に内定・内示などが出された従事者は、新規採用者として扱われます。
障害福祉事業者の感覚で言い換えると、令和8年12月25日の時点で既に働いている職員はもちろん、4月採用予定などで既に内定通知を出している人も、法の整理では「施行時現職者」に入ります。
期限は「施行日直後」ではなく「施行から3年以内」
現職者確認の期限は、義務対象事業者については施行から3年以内です。「12月25日の法施行と同時に全員確認しなければならないのでは?」と考えがちですが、そうではありません。新規に従事する者とは違って、施行時現職者については、法が3年の経過期間を設けています。これは、確認の対象となる全国の従事者の数が莫大であるため、システム保護の観点からの猶予措置であり、後段の分散申請の話につながります。
なお、認定対象事業者については、認定時現職者の確認期限は認定日から1年以内です。認定対象事業者は、認定後でなければ犯罪事実確認申請を行うことができません。
分散申請とはどういう仕組みか
前項の通り、現職者確認については全国一斉ではなく分散して進められます。ガイドラインにおいても、現職者については令和9年4月以降、確認手続を行う期間がそれぞれの義務対象事業者ごとに通知され、自事業所の「番が回ってきたら」その時に申請を行います。
ガイドラインより抜粋
ここで注目したいのは、上図の通り、まず令和9年1月から3月までは新規採用者優先期間が置かれていることです。新規採用者は、原則として対象業務に従事する前に犯罪事実確認を終えなければなりません。そのため、令和8年12月25日以降に採用されたものを優先的に受け付け、これらの処理が一段落した後に改めて、いわゆる「現職者」の確認処理に入る、、というプランと考えられます。つまり、現職者確認の分散申請とは、新規採用者の確認を先に優先し、その後で現職者を計画的にさばいていくための仕組みだといえます。
離職との関係は、なぜ現職者確認に関わるのか
突然「離職」というキーワードに面食らうかもしれませんが、重要な点ですのでこちらもおさえておきます。
たとえば、ある従業員が有期労働契約のように、一定期間ごとに従事する方だったとします。このとき、近いうちに同じ事業所で対象業務へ戻る予定があるにもかかわらず、その都度「離職」として扱ってしまうと、確認記録を毎回廃棄・消去し、復帰のたびに犯罪事実確認をやり直すことになってしまいます。これは、事業者、本人、そして制度を運用する側にとっても大きな負担です。そこでガイドラインは、客観的な書面等に基づき継続従事があらかじめ取り決められている場合などは、「離職」に当たらないとしています。
つまり、自分たちに割り当てられた確認期間が来た時点で一時的に現場を離れている職員であっても、後日同じ事業者で対象業務に戻ることが書面等で決まっているなら、その者は「離職者」ではなく、「現職者」として犯歴確認の対象として扱うことになります。したがって、その者の分も含めて犯罪事実確認を進める必要があります。
まとめ
現職者の犯罪事実確認は、法施行日に一斉に行われるものではなく、施行から3年以内で順次進めていく仕組みです。また、ここでいう現職者には、施行日時点で従事している者だけでなく、12月24日以前に内定・内示が出されている者も含まれます。
令和8年12月25日以降、まずは新規採用者を優先して受け付け、その後現職者の確認へ移ります。現職者についての確認申請は、一番早くても令和9年4月以降です。
また、いったん現場を離れていても、書面等に基づき再従事が決まっている者は離職者ではなく、現職者として犯歴確認の対象となります。
【免責事項】
本記事は、現時点で公表されているガイドライン、施行資料その他の公表資料に基づく内容です。今後、通知、Q&A、事務手続マニュアル、各種ひな型等で具体的な運用が補われる可能性があります。