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独習 運営指導 クラスター07「サービス提供の基本ルール」|9 食事提供と栄養管理はどう確認されるか――説明同意、アレルギー、体調変化への対応を含めて

運 営指導 クラスター07「サービス提供の基本ルール」|第9回 食事提供と栄養管理はどう確認されるか――説明同意、アレルギー、体調変化への対応を含めて 運営指導(旧 実地指導)において、食事提供、献立作成、栄養管理、および説明・同意の手続きは極めて重要な確認項目です。本稿では、 「食事提供・栄養管理・同意取得」における不備を防ぐための要点 を整理します。 行政の着眼点は、単に「食事が提供されているか」という事実にとどまりません。 「書類・記録・運用」の一貫性 の中で、提供方針が明確か、見直しのプロセスが証跡(エビデンス)として残っているか、噛む力や体調に合わせた柔軟な対応が現場で徹底されているか、といった点に注目が集まります。 クラスター07「サービス提供の基本ルール」 第9回目の本稿では、「食事提供・栄養管理・同意不備」について、運営指導の場で何を問われ、何を提示すれば納得感のある説明ができるのか、そのポイントを書類・記録・運用の3つの軸から解説します。実際の対応にあたっては、個々の着眼点に立ち返って点検することで、より抜け漏れを減らすことができます。 本稿でいう「クラスター」とは、運営指導で示される多数の着眼点を、中原太事務所が実務上の観点から整理・分類した独自の区分です(行政の公式用語ではありません)。 着眼点を単に並べるのではなく、事業所運営のどの場面で意識されるかを基準に、関連項目をまとめています。 行政の確認ロジックは「書類→記録→運用」です 単に「食事を出している」と答えるだけでは、不十分です。運営指導では、提供方針から献立管理、同意の手続き、体調変化時の対応まで、一連の流れが「一貫しているか」を問われます。 土台となるのは、提供方針や献立、アレルギー一覧、同意書などの書類です。「誰に何を提供し、どこに注意を払うか」が整理され、費用面も含めて利用者や家族へ明確に説明できているかが評価の分かれ目となります。 検食簿や提供記録、変化の記録が揃っていれば、見直しの経緯を客観的に証明できます。さらに、現場でアレルギーや「食べやすさ(柔らかさ等)」を即座に共有・反映し、責任者が定期点検を行っている実態を示せれば、日々の支援が適切に回っていると納得感を持って伝えられます。 つまずきやすい点:「なぜこの食事か」という根拠と説明の曖昧さ 何が問題か 問題は、食事を出し...

独習 運営指導 クラスター07「サービス提供の基本ルール」|8 運営規程・重要事項説明書・掲示内容のずれをどう防ぐか

運 営指導 クラスター07「サービス提供の基本ルール」|第8回 運営規程・重要事項説明書・掲示内容のずれをどう防ぐか 運営指導(旧 実地指導)において、運営規程や重要事項説明書、掲示資料の整備状況は、いわば事業所の「憲法」や「看板」にあたり、最優先の確認事項です。本稿では、実務上陥りやすい「運営規程の整備・記載不備」という論点に焦点を当て、その対策を整理します。 行政が厳格にチェックするのは、単に規程が存在するかという形式的な話ではありません。最新の法改正が反映されているか、変更履歴が適切に管理されているかといった基本はもとより、重要事項説明書や掲示物、さらには実際の現場運用に至るまで、 「書類・記録・運用」が矛盾なく一本の線で整合しているか が問われます。 クラスター07「サービス提供の基本ルール」 第8回目の本稿では、「運営規程の整備・記載不備」について、運営指導の場で何を問われ、何を提示すれば納得感のある説明ができるのか、そのポイントを書類・記録・運用の3つの軸から解説します。なお、実際の対応にあたっては、個々の着眼点に立ち返って点検することで、より抜け漏れを減らすことが可能です。 本稿でいう「クラスター」とは、運営指導で示される多数の着眼点を、中原太事務所が実務上の観点から整理・分類した独自の区分です(行政の公式用語ではありません)。 着眼点を単に並べるのではなく、事業所運営のどの場面で意識されるかを基準に、関連項目をまとめています。 行政の確認ロジックは「書類→記録→運用」です 運営指導の場において、「運営規程は備え付けています」という回答だけでは十分ではありません。運営指導で厳格に問われるのは、規程が最新の状態か、重要事項説明書と齟齬(そご)はないか、掲示内容は更新されているか――といった、 情報の「鮮度」と「一貫性」 です。行政が見ているのは文書単体ではなく、関連するすべての情報が食い違いなくつながっているかという点に尽きます。 まず「書類」面では、運営規程を筆頭に、重要事項説明書、変更届の控え、掲示用資料、そして「新旧対照表」が土台となります。ここで重要なのは、規程を直して終わりにするのではなく、利用者への説明資料や外部向けの掲示物までが、タイムラグなく一斉に更新されていることです。各文書の内容が連動していなければ、法的な整備が完了しているとは認めら...

独習 運営指導 クラスター07「サービス提供の基本ルール」|7 質の評価・改善・公表にどう取り組むか――「確かな点検」そのあとに

運 営指導 クラスター07「サービス提供の基本ルール」|第7回 質の評価・改善・公表にどう取り組むか――「確かな点検」そのあとに 運営指導(旧 実地指導)において、自己評価の運用や公表資料の整備状況は、避けては通れない重点確認項目です。本稿では、現場で陥りがちな「評価・改善・公表」にまつわる不備を整理し、実務上のポイントを解説します。 行政が注視しているのは、単に「点検を実施した」という形式的な報告ではありません。質をどう評価し、その結果をどう集計して具体的な改善課題へと落とし込んだのか。さらに、実施後の再評価や保護者への情報提供、外部公表に至るまでの一連のプロセスが、 「書類・記録・運用」のすべてにおいて一本の線でつながっているか が厳格に確認されます。 クラスター07「サービス提供の基本ルール」 第7回目の本稿では、「質の評価・改善・公表不備」について、運営指導の場で何を問われ、何を提示すれば納得感のある説明ができるのか、そのポイントを書類・記録・運用の3つの軸から解説します。なお、実際の対応にあたっては、個々の着眼点に立ち返って点検することで、より抜け漏れを減らすことが可能です。 本稿でいう「クラスター」とは、運営指導で示される多数の着眼点を、中原太事務所が実務上の観点から整理・分類した独自の区分です(行政の公式用語ではありません)。 着眼点を単に並べるのではなく、事業所運営のどの場面で意識されるかを基準に、関連項目をまとめています。 行政の確認ロジックは「書類→記録→運用」です 運営指導の場では、単に「自己点検」と「利用者アンケート」を実施しています、と回答するだけでは不十分です。行政が検証するのは、「手法の定義(書類)」「実行の証跡(記録)」「改善の完結(運用)」という3つのステップです。このプロセスがどこかで途切れていると、評価は「指導のための形式的なポーズ」と見なされかねません。 まず「書類」面では、自己評価票や保護者評価票、業務改善計画、公表手順といった「仕組みの土台」が整備されているかが問われます。評価項目が標準化されていなければ、年度ごとの比較や客観的な分析は困難だからです。特に障害児通所系サービスにおいては、従業者評価・自己評価・保護者評価という多角的な視点から自事業所のサービスを精査し、これを改善へつなげる一連の枠組みがルールとして確立されて...

独習 運営指導 クラスター07「サービス提供の基本ルール」|6 意思決定支援と最善利益の判断にどう取り組むか――本人不在の支援にしないために

運 営指導 クラスター07「サービス提供の基本ルール」|6 意思決定支援と最善利益の判断にどう取り組むか――本人不在の支援にしないために 運営指導(旧実地指導)において、本人の意思確認の方法や、意思表明が困難な際の支援と判断プロセスは大切な項目です。本稿では「意思決定支援・最善利益への配慮不足」という論点に焦点を当てます。 行政が確認するのは、「本人の意思を尊重している」という言葉だけではありません。本人の意思をどう確かめたのか、意思表明が難しいときに家族や関係者の情報をどう整理し、何を根拠に最善利益を判断したのか。その過程が、書類・記録・運用の流れとして説明できるかが問われます。 クラスター07「サービス提供の基本ルール」 第6回目の本稿では、「意思決定支援・最善利益配慮不足」について、運営指導の場で何を問われ、何を提示すれば納得感のある説明ができるのか、そのポイントを書類・記録・運用の3つの軸から解説します。なお、実際の対応にあたっては、個々の着眼点に立ち返って点検することで、より抜け漏れを減らすことが可能です。 本稿でいう「クラスター」とは、運営指導で示される多数の着眼点を、中原太事務所が実務上の観点から整理・分類した独自の区分です(行政の公式用語ではありません)。 着眼点を単に並べるのではなく、事業所運営のどの場面で意識されるかを基準に、関連項目をまとめています。 行政の確認ロジックは「書類→記録→運用」です まず、意思決定支援や最善利益の判断に関する「組織的な方針」が文書化されているかが問われます。指針や手順、個別支援計画の様式を整える目的は、支援を担当者の主観に依存させない「客観的な体制」の構築にあります。情報の整理順序や判断根拠の残し方がルール化されていなければ、支援の妥当性を問われる以前に、組織としてのプロセスが不透明であると判断されるリスクがあります。 次に、その方針に基づいた「記録の整合性」が必要です。単に結論や同意の有無を記すだけでなく、本人の意向をどう確認し、困難な場合に誰がどのような情報をもとに判断したのかという「過程」が重視されます。意向確認から会議録、同意書に至るまでが一貫した流れとして残り、第三者が後から支援の妥当性を追跡できる状態(証跡)であることが不可欠です。 最後は、これらが形骸化せず「実効性のある運用」として機能しているかです...

独習 運営指導 クラスター07「サービス提供の基本ルール」|5 運営指導で問われる説明と理解確認――記録に何を残すか

運 営指導 クラスター07「サービス提供の基本ルール」|5 運営指導で問われる説明と理解確認――記録に何を残すか 障害福祉サービスの提供を行う中で、受け入れ契約時や個別支援計画の作成時、また重要な変更が生じた際など、利用者からの同意を必要とする場面があります。その際、必要な事項を漏れなく説明し、また、利用者がその内容をどう理解したか、確かな同意を得ているのか、というプロセスが確認されます。本稿では、運営指導において気をつけたい「説明・理解確認不足」という論点に焦点を当てます。 行政がチェックしているのは、単に「説明した事実」があるかどうかだけではありません。重要事項説明書や運営規程、個別支援計画、同意書といった「書類」が整っていることはもちろん、説明や同意、さらには再説明のプロセスが「記録」として残されているか。そして、相手の理解が不十分なときには改めて説明を尽くすといった「運用」が、実態として機能しているか。これらの点が総合的にチェックされます。 クラスター07「サービス提供の基本ルール」 第5回目の本稿では、「説明・理解確認不足」について、運営指導の場で何を問われ、何を提示すれば納得感のある説明ができるのか、そのポイントを書類・記録・運用の3つの軸から解説します。なお、実際の対応にあたっては、個々の着眼点に立ち返って点検することで、より抜け漏れを減らすことが可能です。 なお本稿でいう「クラスター」とは、運営指導で示される多数の着眼点を、中原太事務所が実務上の観点から整理・分類した独自の区分です(行政の公式用語ではありません)。 着眼点を単に並べるのではなく、事業所運営のどの場面で意識されるかを基準に、関連項目をまとめています。 行政の確認ロジックは「書類→記録→運用」です この場面でまずチェックされるのは、説明すべき内容が「書類」として整理されているかという点です。重要事項説明書や運営規程、個別支援計画、同意書、さらには説明用の補助資料に至るまで、伝えるべき事項が担当者の裁量任せになっていないかが確認されます。支援の方針なのか、生活上の留意点なのか、あるいは費用や同意に関する事項なのか。こうした項目が文書として明確に定義されていることが大前提となります。 次に重要となるのが「記録」の存在です。説明や同意の取得、質疑応答、さらには再説明や書類の交付に至るまで、一連...

独習 運営指導 クラスター07「サービス提供の基本ルール」|4 個別計画に基づかない支援提供――計画と実施のずれをどう防ぐか

運 営指導 クラスター07「サービス提供の基本ルール」|4 個別計画に基づかない支援提供――計画と実施のずれをどう防ぐか 個別支援計画に基づいた適切な支援が行われているかは、運営指導(実地指導)において必ず確認される項目です。障害福祉サービスにおいて、「実際の現場が、最新の計画書通りに動いているか」が厳密に問われることになります。 行政側が特に注視するのは、単にサービスを提供したという事実だけではありません。まずは計画書本体や作成・変更手順などの「書類」が万全に整っていること。次に、それに対応する提供記録や変更の経緯が「記録」として正確に残っていること。さらに、計画変更時の説明や同意、現場への周知といった「運用」が、組織全体で正しく機能しているかどうかが厳しくチェックされます。 クラスター07「サービス提供の基本ルール」 第4回目の本稿では、「個別計画に基づかない支援提供」について、運営指導の場で何を問われ、何を提示すれば納得感のある説明ができるのか、そのポイントを書類・記録・運用の3つの軸から解説します。なお、実際の対応にあたっては、個々の着眼点に立ち返って点検することで、より抜け漏れを減らすことが可能です。 なお本稿でいう「クラスター」とは、運営指導で示される多数の着眼点を、中原太事務所が実務上の観点から整理・分類した独自の区分です(行政の公式用語ではありません)。 着眼点を単に並べるのではなく、事業所運営のどの場面で意識されるかを基準に、関連項目をまとめています。 行政の確認ロジックは「書類→記録→運用」です 運営指導でまず確認されるのは、「現在どの計画が有効で、どう作成・変更されたか」という文書の整理状況です。計画書本体はもちろん、作成手順書や同意書、日課表からプログラム表まで、すべての支援が「どの計画に基づいているか」を書類上で即座に説明できることが、まずは前提となります。 行政側がここで見たいのは、現場の支援が担当者の「経験や善意」に頼り切りになっていないかという点です。具体的には、計画通りの支援であるかどうか、(計画)変更時はどのような手順で反映するのか、などです。これらルールが未整備だと、支援内容の妥当性を評価される以前に、「組織だった運営基盤が整っていない」とみなされる恐れがあります。 次に見られるのが「記録」の整合性です。計画交付記録、サービス提...

独習 運営指導 クラスター07「サービス提供の基本ルール」|3 基本方針と日々の支援をどうつなぐか――漫然・画一化を防ぐために

運 営指導 クラスター07「サービス提供の基本ルール」|3 基本方針と日々の支援をどうつなぐか――漫然・画一化を防ぐために 事業所が掲げる支援方針や理念が実際の支援現場でいかに具現化されているかは、運営指導においても極めて重要な確認事項です。本稿では、基本方針から逸脱し、個別ニーズを反映しない漫然かつ画一的なサービス提供によって、自立支援の目的が形骸化している状態について解説します。 行政が重視するのは、単に支援を実施しているかどうかだけではありません。基本方針、支援提供方針、支援手順書、個別支援計画、支援プログラムといった「書類」 が整備され、それに基づいた支援記録やモニタリング結果が 「記録」 として残り、さらに日々の支援内容が個別目標に沿って見直されているという 「運用」の実態。これらが一貫性を持って説明できるかどうかが、大きなポイントとなります。 クラスター07「サービス提供の基本ルール」 第3回目の本稿では、「基本方針逸脱(漫然・画一・自立支援目的不明)」について、運営指導の場で何を問われ、何を提示すれば納得感のある説明ができるのか、そのポイントを書類・記録・運用の3つの軸から解説します。なお、実際の対応にあたっては、個々の着眼点に立ち返って点検することで、より抜け漏れを減らすことが可能です。 なお本稿でいう「クラスター」は、運営指導で示される多数の着眼点を、中原太事務所が実務上の観点から整理・分類した独自の区分です(行政の公式用語ではありません)。 着眼点を単に並べるのではなく、事業所運営のどの場面で意識されるかを基準に、関連項目をまとめています。 行政の確認ロジックは「書類→記録→運用」です 運営指導で最初に見られるのは、基本方針や支援提供方針が文書として体系化されているかという点です。支援手順書、個別支援計画、プログラムに至るまで、「何を目的に、どのような考えで支援を行うのか」を書類上で説明できるかが問われます。ここが曖昧であれば、支援の質以前に、事業所の理念が現場へ浸透していないと判断される要因になります。 次に確認されるのが「記録」です。直近のケースをサンプルとして、日々の支援記録、モニタリング、ケース会議録、さらには苦情や振り返りの記録まで精査されます。重要なのは、単に記録が存在することではありません。個別目標に沿った支援が行われているか、 個...

独習 運営指導 クラスター07「サービス提供の基本ルール」|2 初回把握・アセスメント――受入前後の情報をどう支援へつなげるか

運 営指導 クラスター07「サービス提供の基本ルール」|2 初回把握・アセスメント――受入前後の情報をどう支援へつなげるか 初回のアセスメントや面談の進め方は、運営指導(実地指導)においても注視される項目の一つです。障害福祉サービス全般において、受入前後に「何を把握し、それをどう支援に繋げたか」が問われます。 行政が重視するのは、単に「話を聞いた」という主観的な報告ではなく、その内容がいかに支援へ反映されたかという 客観的な裏付け です。受入手順書や初回面談票などの「書類」 が整備され、適切な 「記録」 が残り、その内容が支援方針や計画原案に反映されているという 「運用」の実態を、一貫性を持って説明できるかどうかがポイントとなります。 クラスター07「サービス提供の基本ルール」 第2回目の本稿では、「初回把握・アセスメント」について、運営指導の場で何を問われ、何を提示すれば納得感のある説明ができるのか、そのポイントを書類・記録・運用の3つの軸から解説します。なお、実際の対応にあたっては、個々の着眼点に立ち返って点検することで、より抜け漏れを減らすことが可能です。 なお本稿でいう「クラスター」は、運営指導で示される多数の着眼点を、中原太事務所が実務上の観点から整理・分類した独自の区分です(行政の公式用語ではありません)。 着眼点を単に並べるのではなく、事業所運営のどの場面で意識されるかを基準に、関連項目をまとめています。 行政の確認ロジックは「書類→記録→運用」です 運営指導(実地指導)における初回把握やアセスメント関連では、まず「受入手順」「初回面談票」「アセスメント様式」「情報収集票」「個別支援計画作成手順」といった文書の整備状況が確認されます。ここで問われるのは、最初の情報収集が担当者個人の感覚任せになっていないか、という点です。 具体的には、誰が担当しても同じ項目を同じ順序で確認できる「標準化」がなされているか。本人の心身の状況や置かれている環境、家族・関係機関から把握した内容が、最初の聞き取り段階で漏れなく収集できる仕組みになっているか。行政は、その前提となる書類の有無をまずチェックします。 次に見られるのが「記録」です。直近のケースをサンプルとして、初回面談、アセスメント、家族・関係機関連携、受入判定会議といった各記録、および計画原案が適切に残っているか、...

独習 こども性暴力防止法 | 障害福祉事業者向け解説記事まとめ

こ ども性暴力防止法|障害福祉事業者向け解説記事まとめ 初めてこども性暴力防止法について情報収集を行う方は、まず 第1回〜第5回 をご覧ください。その後、必要に応じて 犯罪事実確認 、 安全確保措置 、 情報管理・監督対応 の各記事をお読みいただくことをおすすめいたします。 まず最初に読む記事 第一回 こども性暴力防止法とは何か|障害福祉事業者が最初に押さえるべき制度の全体像 第二回 学校だけの法律ではない|障害福祉事業者に関係する理由 第三回 義務対象事業者と認定対象事業者は何が違うのか|障害福祉サービス事業者視点より 第四回 施行までに「いつまでに何を」やるのか|12月25日から逆算する全体スケジュール 第五回 障害児(者)福祉サービス事業者が施行までにやるべき5つの作業カテゴリーを整理する 犯罪事実確認の実務 第六回 こまもろうシステム利用前に押さえるべきアカウントと権限の基本 第七回 犯歴確認の対象従事者は誰か|障害児(者)福祉サービスの現場では 第十回 犯罪事実確認とは何か|制度の全体像を障害福祉事業者向けに整理する 第十一回 現職者の犯罪事実確認はどう進めるか|施行時現職者・期限・分散申請の考え方 第十二回 新規採用者の犯罪事実確認が従事開始までに終わらないとき|いとま特例の考え方 第十五回 犯罪事実確認で「該当あり」となった場合、事業者はどう動くべきか ルール整備・未然防止・初期対応 第八回 不適切な行為の範囲をどう定めるか|障害福祉事業者が言語化しておくべき線引き 第九回 責任者と内部体制をどう整えるか|障害福祉事業者の現実的な組み立て方 第十三回 求人票・誓約書・内定通知書はどう見直すか|採用前に事業者が整備すべきこと 第十四回 こども性暴力防止法で就業規則はどう変わるか|見直しのポイントを整理 第十六回 安全確保措置とは何か|事業者が行うべき日々の守りと備えを俯瞰する 第十七回 施設・事業所環境から考える効果的な未然防止のあり方とは 第十八回 職員研修や保護者等への啓発活動という、もう一つの「未然防止」について考える 第十九回 「疑い」が出たときにまずすべきこと|初期対応の手順 第二十回 調査と調査後対...

独習 こども性暴力防止法 | 第二十二回 こども性暴力防止法における「監督・報告・立入検査」に備えて残すべき記録とは

こ ども性暴力防止法における「監督・報告・立入検査」に備えて残すべき記録とは この記事は約4分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 民間の放課後等デイサービスや児童発達支援は、犯罪事実確認実施者等として、自ら犯罪事実確認を行う 立場にあります。これに対し、公立の指定障害児通所支援事業では、都道府県又は市区町村が犯罪事実確認実施者等になります。 帳簿は原則としてこまもろうシステムを通じて作成・保存 され、犯罪事実確認の定期報告もシステム利用が前提です。 ただし、立入検査はシステム上でのデータ確認だけでなく、 帳簿、書類その他の物件まで検査対象 になり得ます。 そのため、平時から必要なのは、システムへの入力だけではありません。規程、実施記録、周知の痕跡まで含めて、 「実際にこども性暴力防止対策を実施している」と示せる状態を作っておく ことが重要です。 シリーズ第22回目の本稿では、法の定める監督、定期報告、立入検査にどう備えるかを考えます。ここは制度の仕組み自体がかなり複雑ですが、障害福祉事業者の実務として押さえるべき点にフォーカスします。 以下、こども性暴力防止に関係する障害児(者)福祉サービス事業者の区分けを再掲しておきます。 義務対象事業者 (学校設置者等)   ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)  ○ 障害児入所施設 認定対象事業者 (民間教育保育等事業者)   ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援 民間の児発・放デイは、自ら犯罪事実確認を行う立場にある 民間の放課後等デイサービスや児童発達支援では、事業者自ら犯罪事実確認を行う必要があります。これに対し、公立の指定障害児通所支援事業では、都道府県又は市区町村が犯罪事実確認実施者等になります。もっとも、この制度は、犯罪事実確認さえ終えれば足りるものではありません。 定期報告や監督の対象になるのは、犯罪事実確認の実施状況だけではなく、安全確保措置や情報管理措置の実施状況も含まれます。つまり、日頃の面談、アンケート、相談対応、研修、報告ルールの周知、情報管理などについても、後から確認を受けることを前提にしておく必要があります。平時から必要な措置を実際に回し、その内容を後から示せるように、規程、...

独習 こども性暴力防止法 | 第二十一回 障害児(者)福祉事業所では、情報管理措置は「見せない・残さない・広げない」を基本にする

障 害児(者)福祉事業所では、情報管理措置は「見せない・残さない・広げない」を基本にする この記事は約3分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 本稿で扱う「セキュリティ」の意味するところは、一般的な情報セキュリティ論ではなく、 犯罪事実確認書やその内容に係る記録をどう管理するか という話です。 犯罪事実確認情報については、原則、こまもろうシステム上で閲覧・確認することを主とし、 事業所が管理するExcel台帳や、メモ書き、人事資料などに転記・転載を行わないこと が推奨されます。 小規模の障害福祉事業所では、権限を細かく分けて「情報漏洩をどう防ぐか」を考えることより、 そもそも触れる人を増やさない方が実務に合う でしょう。 目的外利用や第三者提供は禁止され、漏えい等の重大事態があれば、こども家庭庁への報告が必要です。場合によっては、刑事罰の対象、あるいは民事上の問題になり得ます。 犯罪事実確認に関する情報は、それほどの重大性をもっています 。 シリーズ第21回目の本稿では、情報管理措置について見ていきます。この取り組みを一言で表すと、犯歴に関する極めて機微性の高い情報を、必要最小限の人だけが、情報を広げない形で扱うためのルールづくり、と言えます。 情報管理措置の出発点は、情報を増やさないこと ガイドラインは、こまもろうシステムにログインすれば期限内はいつでも閲覧できることを前提に、情報の転記等による電子ファイルや紙の記録・保存・伝達・利用は極力行わないとしています。 実務上注意したいのは、「確認結果を見やすくまとめた別表」が、新たな管理対象になり得ることです。人事台帳、一覧表、メモ、紙の引継ぎ資料に内容を書けば、それは犯罪事実確認情報と同様の機微性を持つことになり、情報が複製されたことでその分だけ漏えい経路も増えます。逆にいえば、こまもろうシステム上で確認し、別記録を増やさない運用は、それだけで大きな情報管理措置になります。行政側が責任者一人のみ・システム上のみで当該情報を確認する形を推奨するのは、この発想に沿っています。 なお、いずれの従事者の犯罪事実確認が完了したかどうか、という確認作業の進捗を管理するための情報は、上記漏洩防止の対象とはなりません。 事業者はまず「誰が見るか」を決めてください 障害福祉の小規模事業所においては、情報へのアクセス制限に...

独習 こども性暴力防止法 | 第二十回 調査と調査後対応をどう進めるか|障害児(者)福祉事業者の視点より

調 査と調査後対応をどう進めるか|障害児(者)福祉事業者の視点より この記事は約5分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 児童対象性暴力あるは不適切な行為の疑いを把握した場合、初期対応の次に行うのが調査です。しかし、調査は「誰を処分するか」をこの段階で決めるために行うというより、 児童対象性暴力等があったと合理的に認められるかを判断するための過程 です。まず客観証拠を保全し、必要な聴き取りを行い、その時点で集まった情報で評価します。 聴き取りは、 たくさん聞けばよいわけではありません 。児童への繰り返しの聴き取りは、二次被害や記憶の汚染につながり得るため、犯罪が疑われる場合や判断に迷う場合は、警察や専門家と連携しながら進める必要があります。 調査の後に行うべきは、防止措置だけではありません 。事案に対する対応方針を決め、被害児童等とその保護者への支援、必要に応じた他の児童や保護者・職員への対応、そして再発防止策の検討まで行います。 障害福祉施設等では、こども性暴力防止法に基づく対応に加えて、 障害者虐待防止法に基づく対応も並行して整理する必要 があります。 性暴力があったと評価できなかった場合でも、そこで終わりではありません。疑いが生じた事実自体を重く受け止め、支援のあり方の見直し、死角の解消、再度の研修を通じた制度理解の徹底など、再発防止を検討する必要があります。 シリーズ20回目の本稿では、初期対応の後に続く「調査」と「調査を踏まえた対応」を扱います。前回は、疑いが出た直後にまず何を守るかを見ましたが、今回はその後に何を確認し、どう評価し、その結果をどう支援や再発防止につなげるか、という一連の流れを見ます。 以下、こども性暴力防止に関係する障害児(者)福祉サービス事業者の区分けを再掲しておきます。 義務対象事業者 (学校設置者等)   ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)  ○ 障害児入所施設 認定対象事業者 (民間教育保育等事業者)   ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援 調査は何のために行うのか 調査の目的は、児童対象性暴力等が行われたと合理的に認められるかどうかを判断することです。ガイドラインは、十分な情報が集まった場合や、これ以上の...

独習 こども性暴力防止法 | 第十九回 「疑い」が出たときにまずすべきこと|初期対応の手順

「疑 い」が出たときにまずすべきこと|初期対応の手順 この記事は約4分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 万が一、性暴力あるいは不適切な行為の疑いが出たときに 最優先すべきことは、まず子どもの安全 です。調査結果を待ってから動くのではなく、初期対応として接触回避や必要な保護・支援を先に考えます。 ガイドラインは、初期対応として、 発覚時の対応、一時的な接触回避、保護者への連絡・説明、関係機関との連携 を挙げています。 犯罪が疑われる場合はもちろん、 性暴力かどうか判断に迷う場合でも、早期に警察へ相談することが適切 とされています。 不適切な行為と思われる場合でも、扱いを軽くして良い理由にはなりません。後の事実確認の中で性暴力が発覚する場合があるからです。 シリーズ19回目の本稿では、疑いが出たときの初期対応を扱います。事案発生後の対応の流れ全体としては、初期対応の後に「調査」や「評価」が続きますが、今回はまず疑いが出た直後にすべきことに焦点を当てます。 なお言うまでもないことですが、このような対応が一度も必要にならないことが最善です。ただし、何事にも絶対はなく、万一疑いが出たときに子どもを守る行動に遅れが生じないよう、事業者としてここはしっかり整理しておきたいです。 ガイドラインより抜粋 初期対応と調査は、分けて考える必要がある 児童対象性暴力等の疑いが生じた場合には、被害を受けた児童等の心身の安全を確保することが、何よりも優先されなければいけません。そのうえで初期対応、つまり、(対象児童と疑いのある従事者との)一時的な接触の回避、保護者への連絡・説明、関係機関等との連携などの対策を講じます。 つまり、なんらかの「調査」行動してから取るべき対応を決めるのではなく、まず疑いのある状況を放置しないこと、子どもを守ること、そして後に続く調査に資するような情報を損なわないこと、を念頭に置いて動くということです。 まず優先するのは子どもの安全、そして証拠保全 初期対応で最初に考えるべきことは、被害が疑われる児童等と、加害が疑われる者をどう接触させないかです。ガイドラインにおいても、接触回避が明示されています。少なくとも、このまま普段どおり支援を続けてよいか、という選択肢はありません。 同時に、証拠や記録を保全することも重要です。ガイドラインは、繰り返しの聴き取...

独習 こども性暴力防止法 | 第十八回 職員研修や保護者等への啓発活動という、もう一つの「未然防止」について考える

職 員研修や保護者等への啓発活動という、もう一つの「未然防止」について考える この記事は約3分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 研修や教育啓発活動が意味するところは、職員に「何が危ないか」「何が不適切か」という レッドラインがどこにあるのか? を意識させ、また、児童や保護者に「嫌なことは嫌と言ってよい」「相談してよい」という 心の拠り所の存在を伝える 、そういった働きかけを通じて、 精神的な未然防止の柱を打ち立てる ことを意味します。 そのため、従事者研修で大切なのは、知識を得るだけではなく、日々の支援のどんなシーンにリスクが潜むかを自分事として理解させることです。標準研修や要点研修に加え、 必要に応じて独自の研修を行い 、自分たちの日々の振り返りも必要になってきます。 児童や保護者への教育啓発も重要です。特に、児童は発達段階や特性によって被害を被害と認識しにくい場合があるため、年齢や特性に応じた伝え方が必要です。特に 障害福祉の現場では、一般的な説明をそのまま流すだけでは足りない 場面も想定されますので、短文、イラスト、感覚を使った説明など、伝え方を工夫する必要があります。 また、これらの働きかけはどこかのタイミングで一度実施して終わり、ではなく、入職時、日々の振り返り、保護者との日常的な接点の中で、 繰り返し理解を定着させる ことが重要です。 シリーズ18回目の本稿では、未然防止のうち「従事者研修」と「児童等・保護者への教育啓発」を扱います。前回は、施設・事業所環境というハード面・ルール面を見てきましたが、今回は、実際に人が理解し、こども性暴力防止への心構えをどう育てていくか、そしてその理解を事業所全体の未然防止にどうつなげるかを考えます。 以下、こども性暴力防止に関係する障害児(者)福祉サービス事業者の区分けを再掲しておきます。 義務対象事業者 (学校設置者等)   ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)  ○ 障害児入所施設 認定対象事業者 (民間教育保育等事業者)   ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援 従事者研修で伝えるべきことは何か ガイドライン原文では様々なことが詳細に記述されていますが、実務の観点から3つの軸に整理します。 ...

独習 こども性暴力防止法 | 第十七回 施設・事業所環境から考える効果的な未然防止のあり方とは

施 設・事業所環境から考える効果的な未然防止のあり方とは この記事は約3分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 施設・事業所環境の整備というと真っ先に監視カメラのことを思い出しますが、それだけにとどまる話ではありません。周囲から見えにくい場所、密室化しやすい利用シーン、1対1の関係が定常的に発生する場面を事業所としてどう扱うか、という観点で 支援環境を見直す話で す。。 基本的に、ガイドラインは 他の児童や従事者の目が行き届きにくい環境を可能な限り減らしていく ことを重視しています。つまり各事業所には環境整備を通じて、性暴力等が起きにくい状態を平時から作るための努力を行ってほしい、というメッセージです。 設備を充実させることはもちろんですが、同様に、 設備と運用をどう組み合わせ 、いかにこれらの効果を発揮させるか、を検討することも大切と言えます。 個別支援、送迎、着替え、トイレ、入浴介助に近い場面など、事業所ごとに危ない場面を洗い出す必要があります。 障害児(者)福祉は、その性質上一対一のサービス提供を行う場面が相当数想定されます。ただ、「うちは個別対応が多い業態だから対応は無理だ」で終わらせず、たとえ1対1になる場面でも、情報共有や見守りの工夫など、歯止めをかける設計を考えることが求められています。 シリーズ17回目の本稿では、安全確保措置のうち「未然防止」のテーマから「施設・事業所環境の整備」を見ていきます。ここで大事なのは、 環境整備を設備の話に矮小化しない ことです。こども性暴力防止法が求めているのは、性暴力等が起こった後の証拠保全(映像・音声・記録等)だけではなく、そもそも起こりにくい環境を平時から作ることです。 ガイドラインより抜粋 施設・事業所環境の整備は、なぜ未然防止になるのか こどもへの性暴力は、支配性、継続性、閉鎖性のある関係の中で起こりやすいというのが、この制度全体の前提です。環境整備が重要なのは、このうち特に「閉鎖性」に直結する要素を含んでいるからです。人目につきにくい場所や、特定の職員と利用児童が2人きりになりやすい場面、周囲から様子が見えにくい部屋の配置やサービス提供の動線が多いほど、そのおそれは高まります。 性暴力を起こしにくくし、 仮に誰かが逸脱しようとしても、その行動に歯止めがかかる状態を作る方法論 として環境整備があ...

独習 こども性暴力防止法 | 第十六回 安全確保措置とは何か|事業者が行うべき日々の守りと備えを俯瞰する

安 全確保措置とは何か|事業者が行うべき日々の守りと備えを俯瞰する この記事は約3分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 安全確保措置とは 、性暴力に繋がりうるような事態が起こりにくい環境を日頃からつくり、兆候があればいち早く気づき、利用者からの相談があればこれを受け止め、必要に応じて初動対応や調査につなぐ 一連の仕組みのこと です。 事業者がまず考えるべきことは大きく三つあり、すなわち、 未然防止、早期把握、疑いが出た後の対応 、となります。 犯罪事実確認も広い意味では安全確保措置の一つ です。特定性犯罪事実に該当する人間は性暴力につながる「おそれ」を有すると認められるため、このような人物を子どもと1対1にさせないことは、まさに安全確保措置の一環と言えます。 ただし、本稿では、事業所運営の中で 日々行う必要のある安全確保措置 について、制度の全体像を踏まえて俯瞰します。下図の通り、 犯罪事実確認と(日常業務における)安全確保措置とが両輪となって性暴力につながり得る「おそれ」を検知し、適切な対応を取る ことが広い意味での安全確保措置であり、まさに事業者に求められる対応のあり方といえます。 以下、こども性暴力防止に関係する障害児(者)福祉サービス事業者の区分けを再掲しておきます。 義務対象事業者 (学校設置者等)   ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)  ○ 障害児入所施設 認定対象事業者 (民間教育保育等事業者)   ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援 安全確保措置とは、何を防ぐための仕組みか 安全確保措置は「なにか問題が起きたら、しかるべき当局へ報告する」制度ではなく、そもそも、こどもへの性暴力等を起こさせなくし、仮にそのおそれや疑いが出た場合には、いち早くこれに気づき、即座に行動を起こすための仕組みです。ガイドラインでも、未然防止のために日頃から行うべきこと、早期把握のための措置、相談しやすい仕組み、疑いが出た場合の初期対応と調査が、順を追って整理されています。 障害福祉の現場で言えば、これは 「ルールを作って終わり」でも、「事件になってから動くもの」でもありません 。日々の支援の中で、こどもと職員の関係、保護者との接点、相談の受け皿、記...

独習 こども性暴力防止法 | 第十五回 犯罪事実確認で「該当あり」となった場合、事業者はどう動くべきか

犯 罪事実確認で「該当あり」となった場合、事業者はどう動くべきか この記事は約4分で読めます。 お急ぎの方、ここだけは読んでください 犯罪事実確認の結果、「 特定性犯罪事実に該当あり 」となった場合でも、即座にその情報が事業者もたらされるわけではありません。 まず本人に通知 され、訂正請求期間が設けられます。 本人が訂正請求をしないまま2週間が経過した場合、または訂正請求をしない意思表示をした場合には、事業者へその旨確認の結果が伝達されます。 事業者が結果を受け取った後も、 それだけで一律に解雇という話ではありません 。まずは原則として、対象業務に従事させない方向で防止措置を検討することになります。 もっとも、 事前に誓約書や就業規則 を整備していた場合には、後から判明した前科は 「重要な経歴詐称」として問題になります 。現職者なら懲戒、新規採用者なら内定取消しや試用期間中の解雇が論点になります。 シリーズ15回目の本稿では、犯罪事実確認の結果、特定性犯罪事実該当者であることが判明した場合に、障害福祉サービス事業者がどう動くべきかを整理します。ここは前回の記事で解説した、誓約書や就業規則等の内規をこども性暴力防止法に合わせてアップデートしていたかどうか、が多分に影響する論点です。 ガイドラインより抜粋 以下、こども性暴力防止に関係する障害児(者)福祉サービス事業者の区分けを再掲しておきます。 義務対象事業者 (学校設置者等)   ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)  ○ 障害児入所施設 認定対象事業者 (民間教育保育等事業者)   ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援 事業者に結果が届くまでの流れ まず知っておくべきは、確認の対象となった従事者について特定性犯罪前科がある場合でも、事業者が最初にそれを知るわけではないという点です。事業者が先に結果を見て本人へ伝える仕組みではなく、まず申請従事者本人に対して犯罪事実確認書の記載内容が通知されます。通知後2週間は、訂正請求や中止要請を行うことができる期間とされており、その間は事業者へ確認結果は交付されません。 この2週間が実務上重要なのは、単に訂正の機会だからだけではありません。 本人がその間に内定辞退や自主退職...

独習 こども性暴力防止法 | 第十四回 こども性暴力防止法で就業規則はどう変わるか|見直しのポイントを整理

こ ども性暴力防止法で就業規則はどう変わるか|見直しのポイントを整理 この記事は約3分で読めます。 ※本記事は、個別具体的な就業規則の法的有効性そのものを判定するものではありません。実際の就業規則の法的な有効性の確認については、社会保険労務士または弁護士へご相談ください。本記事は、現時点で公表されているガイドライン、施行資料、参考資料等の一次資料に基づく情報提供を目的としています。 お急ぎの方、ここだけは読んでください こども性暴力防止法に対応した就業規則、という観点で見た場合、新たに追加が必要となる点として、 対象業務従事者の範囲、禁止行為、不適切な行為、報告義務、犯罪事実確認への協力義務、これらに反した場合の懲戒事由の整理 、等が挙げられます。 就業規則参考例は公表されていますが、 大事なのはその文言をそのまま写すことではありません 。参考例が示している論点、つまり何を就業規則に定めておかないと法対応や現場運用で困るのかを理解し、 自事業所の就業規則に自事業所の視点をもって漏れなく落とし込む ことが重要です。 施行日を待ってから動くのでは遅く 、ガイドラインは施行前からあらかじめ定めておくべき事項を整理しています。 以上のように、ガイドラインが求めているのは就業規則を通じて、教育・保育等を提供する場で、 何をしてはならないのか、誰が対象なのか、問題が起きたときにどう報告し、どの手続に応じるのか、といった事業者の内部ルールを前もって整えておく ことです。 シリーズ14回目の本稿では、こども性暴力防止法の施行に先立って、障害福祉サービス事業者が整備しておくべき「2026年12月25日以降の就業規則」の要点を見ていきます。 以下、こども性暴力防止に関係する障害児(者)福祉サービス事業者の区分けを再掲しておきます。 義務対象事業者 (学校設置者等)   ○ 障害児福祉サービス(自発・方デイ・居宅訪問型児童発達支援・保育所等訪問支援)  ○ 障害児入所施設 認定対象事業者 (民間教育保育等事業者)   ○ (こどもに対してサービスを提供する)居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所、重度障害者等包括支援 従来の就業規則のままでは足りない理由 これまでの就業規則であっても、服務規律や懲戒事由はもちろん記載があります。ですが、こども性暴力防止法の下では、それだけでは足りません。...