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【令和8年度 障害福祉サービス等 報酬改定】第二回:処遇改善加算の拡充(6月施行)──対象拡大・上乗せ・相談支援の新設を実務目線で整理

和8年度 障害福祉サービス等 報酬改定 第二回:処遇改善加算の拡充(6月施行)──対象拡大・上乗せ・相談支援の新設を実務目線で整理


この記事のねらい

令和8年度の報酬改定に含まれる内容は、ざっくり言うと:

  1. 処遇改善加算の加算率を厚くする
  2. 就労移行支援体制加算の取得にまつわる一部の「抜け道」を塞ぐ
  3. B型の基本報酬区分の見直し
  4. 新規指定の一部サービスに「R9改定までの応急的な単価引下げ」を導入する

この4本です。

シリーズ第2回目の本稿では、「1. 処遇改善加算の加算率を厚くする」について深堀りしていきます。この処遇改善に含まれる具体的な内容としては以下のとおりです。

  • 処遇改善加算の対象拡大
  • 加算率の引上げ
  • 上乗せ区分の設定
  • 相談支援系への加算新設

多くの事業者さんにとって無関係ではいられないトピックではありますが、まず誰が対象で、どこような加算要件の変化が生まれるのか、を丁寧に見ていきます。

「今年も加算を続けられるのか」

「追加で何をやれば上乗せまで狙えるのか」

「相談支援系はどう扱われるのか」

――厚労省資料を中心に、このような不安を解きほぐします。

▶︎ 令和8年度報酬改定 オーバービューはこちら

この改定ポイントは誰に関係があるのか?

まず第一に、既に処遇改善加算を取得しており、令和8年度以降も継続して取りたい事業者さんは、サービス種別にかかわらず全て影響があります。加算額は確かに増加するのですが、一方でその満たすべき要件にも手が入っています(満たすべき職場環境等要件の数が増加)。よって、ただの“自動更新による増額”ではなく、事業所側の対応も求められます。

また、加算の対象もこれまでの「福祉・介護職員等」から「障害福祉従事者」へと拡大しています。より広い範囲のスタッフさんの賃上げを行ってほしいという行政からの明確なメッセージが出ています。

第二に、処遇改善加算に興味のある相談支援系(計画相談支援、障害児相談支援、地域相談支援)の全ての事業者さんです。これらのサービスは従来、処遇改善加算の対象外でしたが、今回新たに対象になり、加算率も資料上提示されています(5.1%)。加算はいわゆる「IV」のみが解放された形ですが、それでも検討の価値はあります。

第三に、処遇改善加算の上位区分(I/II)にて更なる上乗せ加算を取得することを目指す全ての事業者さんです。これまではI/IIはそれぞれ一つの区分でしたが、R8以降はこれが二段階に細分化します。

  • I イ
  • I ロ
  • II イ
  • II ロ

「I ロ」及び「II ロ」は、I/IIのなかでも上位区分とされており、R8改定後のI/IIの加算要件を満たし、更に「生産性向上や協働化の取組」が認められることで取得できる加算です。なお、いわゆる「年収要件」についても、今回440万から460万に引き上げられていますので、この点には注意してください。また、上位区分の取得については、「生産性向上や協働化の取組」の捉え方を含めより細かい条件・選択肢があるのですが、紙面の都合により割愛いたします。ご興味ある方は記事最下段のバナーよりお問い合わせください。

最後に、処遇改善加算を取らない前提の事業所さんにとっては、直接の関わり合いは薄くなります。ただし、質の高い人材の確保や業界全体の賃金水準の上昇も踏まえますと、賃上げに対する市場圧力は高まっています。「今は算定しない」と決めた場合でも、改定の方向性だけは把握しておく方が安全といえます。

事業所が今やるべきこと

継続希望:職場環境等要件の表を見て、令和8年度に新たに取り組む項目(追加分)を検討し、年度内に実施できる計画に落としこみます。「誓約」でも可ですが、実績報告書の提出は必須です。

新規取得希望:加算の区分構造(Ⅰ〜Ⅳ、Ⅰイ/Ⅰロ、Ⅱイ/Ⅱロ等)と、それぞれの必須要件及び上乗せ要件を理解したうえで「どれを狙うか」を決めます。

相談支援系:新設された処遇改善加算について、現行サービスとの均衡の観点から「加算Ⅳに準ずる要件」で算定する整理が示されているため、まずはその要件に沿って準備します。

まとめ

今回の処遇改善加算の拡充は、令和8年6月施行で、①処遇改善の対象を福祉・介護職員だけでなく障害福祉従事者にも広げること、②賃上げに資するよう加算率を引き上げたうえで、生産性向上・協働化の取組に応じた上乗せ区分を設けること、③これまで対象外だった計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援にも処遇改善加算を新設すること、という3点に整理できます。

事業者サイドとしては、まず「自分が対象か(相談支援系を含むか)」「いま取っている区分を維持するための新たな要件は何か」「上乗せを狙うなら追加要件に何が求められるか」を厚労省資料ベースでチェックすることが第一といえます。当事務所もいつでもご相談含めお手伝いさせていただきます。



【免責事項】

本稿は、令和8年度の障害福祉サービス等報酬改定(期中改定)について、現時点で公表されている公式資料をもとに、事業者が押さえるべきポイントを実務目線で整理したものです。制度は未施行であり、施行に向けて告示・通知・Q&A等で表現や手続が微調整される可能性があります。最終的には最新の公式資料(告示・通知を含む)とあわせてご確認ください。また、個別具体の判断で迷う点がある場合は、状況を伺ったうえで整理のお手伝いもできますので、お気軽にご相談ください。